#株式投資ノート

相場に関すること全般

秩序と無秩序の振り子運動

ネット上の陰謀論に反し,アメリカは官僚に支配された専制に移行しているのではなく,制御不能な無秩序に向かっていると思います。

コロナにまつわる混乱と社会状況の変化を見る限り、アメリカは無秩序になりつつあるように見えます。旧来的な社会規範を人々が無視することができるようになっています。リモートワーク,出社拒否,副業。そして,停電、サプライチェーンの不足、過小供給,ぼったくり,洪水、暴動、放火、銃撃、刺傷、強盗、殺人,サボタージュ。デジタルな暴徒/物理的な暴徒。中央銀行の過剰な緩和,財務規律の崩壊。極度の金融資本主義。反マスク,反行動制限,反ワクチン。横行するフェイクニュースとそれを指数関数的に増大するSNS。国家からメディアまで、あらゆる機関が完全に信用されなくなっています。各州が連邦政府から離反しています。数か月前に自分たちで選んだ大統領すら嫌っています。権力の終焉、大衆の反乱、軍の敗北、インフレ。GAFAMの時価総額の異常なまでの膨張と独占に対する危機感。大衆の集合的意識に突き動かされているこのモメンタムは,コロナ後も止まらないし変わらないでしょう。

これから起こるのは強いリーダーでもイデオロギー支配でもないと思います。自由という文明的な概念が脱文明に転化する程度にまで限界的に延長された世界です。すべての階級的徴候は違法であり、誰も責任者でなく、混沌とした,フリーエージェントだらけの世界。

(対照的に中国はコロナ対策も強権的である上,マネーで緩んだ国民を締め上げて,鄧小平からの自由化の流れをようやく終わらせ,専制に向かっています。)

秩序化と無秩序化の振り子運動は、たまにあると良く,90年代の混沌としたロシアが80年代の権威主義的なソ連よりもバランスよく優れているのと同じように、現状よりも好ましいことだと捉えることもできます。中国の諺にあるように、「帝国は長く分裂していたが、統合しなければならず、長く統合されていたが、分裂しなければならない」。そして、この無秩序への過渡期はつらいかもしれませんが、どの勢力が支配するよりマシであり、より良い秩序を築くことができると想定することもできます。

バイデンとトランプの後期高齢者の茶番はもう誰も興味がなく(もうすぐバイデンも一期目の半分も行かずにレームダックになるでしょう),アメリカの次の「オリガルヒ」は誰か,という点に関心が集まるでしょう。その萌芽はありますが,国内の権力構造より世界の覇権を優先し,そこを本気で潰しに行かないのが,アメリカの良さです。