#株式投資ノート

相場に関すること全般

インフレについて

ハイクする金利

U.S. 10Y (US10YT=X) is at 1.796 (+1.51%)
http://www.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yield

今日(1/10)も金利は上に抜けてきています。

 

テックバブルの崩壊か?

2021年2月中旬以降、市場はバリュー株にシフトし、インフレ、金利、マルチプルが注目され、メディアは2000年代のテックバブル崩壊になぞらえています。当時、投資家は数日で少しでも多く儲けようと必死で、不適切で非現実的なバリュエーションを行い、ある日突然見向きもしなくなりました。当時のFEDのバリュエーションモデル(社債の利回りを用いたもの)を見ると、FEDの度重なる警鐘にもかかわらず,当時いかにマーケットが狂乱し,吹き上がっていたかがわかります。

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金融政策

2022年初、FRBは利上げ時期の早期化を示唆しました。コロナ発生以来、インフレは一過性であると言い続けてきたFRBの,態度変化が昨年末から鮮明になっています(態度変化というか,それまでも今もFRBとしてはマーケットに高度なメッセージを送っているわけですが)。現状完全雇用は問題ないので(失業率が4%を切っている),物価の安定のために動いています。ただこの完全雇用はおそらく家計の資産効果によるものです。

 

雇用

最新の雇用統計では、家計部門雇用者数は、前月100万人増の後、65万人増となりました。これは雇用にとって健全な兆候です。失業率は4%を下回りました。労働力人口の激増は、賃金の低い層で見られます。レストランやファストフード店では、新しい従業員を求めて入札が行われています。従業員の職場復帰が進み、経済のエンジンがさらに加速しています。

 

消費

他方で、消費が軟調です。ミシガン大学の11-12月期消費者信頼感調査によると、消費者信頼感は低下しています。この時期が一年で一番売れる時期だったにもかかわらず、です。また,第3四半期の実質GDP成長率は前年比2.3%でした。しかも、その伸びのほとんどすべてが在庫となり、実際の最終販売額は10分の1から10分の2程度でした。また、10月の卸売在庫は前月比2.5%増、11月の卸売在庫は1.2%増で、年率換算で2桁の増加となっています。また,11月の小売在庫は前月比2%増で、年率換算では24%です。よくあることですが、行き過ぎが生じるものであり,サプライチェーンの問題はピークアウトしているのではないかと感じています。顕著な例として、自動車を取り上げたいと思います。ピーク時には、中古車価格は前年比約60%上昇し、CPIを押し上げましたが,現在、中古車価格は前年比で4%下落しています。また、中古車市場の在庫も増えています。通常の中古車在庫は43日ですが、今は54日と、平均を大きく上回っています。中古車価格を見て、車の売却を考えている人が多いと考えられます。また、消費者の嗜好は電気自動車にシフトしていますが,自動車メーカーは販売基盤の97%をガソリン車で販売しており、電気自動車は2〜3%しかない。消費者の嗜好が電気自動車に向かえば、過剰在庫や生産調整の問題が出てきます。CPIに影響を与える帰属家賃に関しても,住宅価格のラリーが終わるときには一気に下がると見られます。要は需給の強弱の転換ポイントが来たら速いということです。

 

部品在庫

ここは「世界のシクリカル」日本の数字が参考になります。電子部品,デバイス工業 在庫率指数については在庫循環的に在庫率がピークに近いです。個人的には半導体関連はそろそろ値崩れしてきてもおかしくないと考えています。これもインフレシナリオに対してはネガティヴです。

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https://youtu.be/wNgV0wdce0E

 

資源

資源に関しては、原油価格は11月上旬にピークを迎え、未だ高値を更新していません。鉄鉱石価格は中国の不動産市況を織り込み,ピークから大きく下落しています。今後数回のインフレレポートでは、エネルギーはマイナスになると予想されます。

 

中国

中国では、恒大が39棟の違法建築物の取り壊しを命じられました。中国の上位100社の不動産デベの12月の契約販売数は35%減少したと報告されました。過去20年間でこれほど販売が落ち込んだことはありません。11月に投資適格と評価されていた商品がデフォルトを起こし、信用市場を揺るがしました。中国の規制当局は、株式市場が不安定なスタートを切った後、安定を宣言しましたが、実際にはほぼ何もしていません。

 

経済

第4四半期のGDPは好調と見られています。アトランタ連銀は4.3%近辺としていますが、そのうち在庫増がどの程度あるのか注目されます。イールドカーブは昨年2月、3月をピークに3月以降は低下しています。イールドカーブフラットニングしているのは、平均時給が0.6%上昇した雇用統計に反応しているためです。イールドカーブフラットニングは一般に金融株には不利です。

 

展望

激しいセクターローテーションは遅行的であり,行き過ぎも含めて今後も数か月バリュー優位と考えられますが,グロースもちゃんとEPSが伸びるものはOKのはずです。経済環境関係なく,ハイグロースのPSR銘柄はその多くが淘汰されることを前提とする競争構造なので,PFのほんの一部にしておくべきです。