当方で整理できているテスラのファンダメンタルズは以下の通りです。
四半期業績推移,4Qの数字は当方の推定値を入れています。
1) 4Q・FY2022
数量、価格ともに前四半期比でプラス
原材料の逆風(<価格設定)
ベルリンのオースティンの立ち上げコストは、新しい車両仕様と技術により、上海より高くなる
2)営業利益率
今後も上昇し続ける。
3) 上海の生産量,ベルリンとオースティン
年換算60万台超のペースで推移しており、45万台超というテスラの前回の開示と矛盾しない。
4) 米国での値上げ
明らかにコモディティを上回っているが、過剰需要と供給のバランスをとり、許容できる待ち時間を維持するために必要(現在M3+Yは6ヶ月以上、モデルS+Xは1.3年)。
5) EVに対する市場の需要
明らかに業界の生産能力を上回っており、EVでの成功はもはやオーダーブックではなく、生産能力、供給確保能力、ベストコストで、テスラがかなりリードしている。
6) FSD
会社計画では,安全スコア98のオーナーに、より広範なFSDを近い将来に展開する(車両台数の大幅な増加が見込まれる)。その次のマイルストーンは、米国の全顧客にFSDのベータ版を提供することであり、これは米国の道路を走る最大100万台の車両に相当し、取得率と収益性に顕著な影響をもたらす可能性がある。
7)4680セル
開発は進んでおり、製造工程の90%が完了、残りの10%で作業中で、第4四半期の収益で進捗状況を報告する予定。
8) 全体感
かなりの数量、コスト、営業レバレッジの勢いがあり、新工場の立ち上げやサプライチェーンのボトルネックの実行次第では、2022年のコンセンサス予想に対して大きなアップサイドがある。中期的には、バッテリー技術、生産能力、特にコストに関する素晴らしい軌道は、世界の電気自動車へのシフトを加速し、リードを大幅に拡大させると考えている。また、営業利益率を拡大し続けることができ、今後数年間は20%程度で推移又は超えてくる可能性があり、これはクラス最高のパフォーマンスと言える。
9) Valuation
基本的にはTech銘柄としてのValuationを継続しておいてよいと思う。ちなみにToyota等に関してはICEという永久成長率を使えない部門があるので,マルチプルをEV分野とICE分野で分けておく必要があり,ブレンドしたマルチプルとTESLAのマルチプルを比較して高低を論じることは現状得策でないと考える。
楽天証券の分析
※面積的には上海とテキサスが同じくらい,ベルリンは小さい。上海は現状でも60万台程度は可能と考えられる。
大和証券の分析