#株式投資ノート

相場に関すること全般

FRBが利用するValuation指標

Williamsの整理

 

「マネー」には常に選択権がある。銀行や固定金利を受け取れる預金口座などの安全な投資先を選ぶこともできるが、そうであればキャピタルゲインを得る可能性は捨てなければならない。マネーがそういう選択肢に流れる場合、それはマネーが将来に不安を抱いていることを意味する。だが、同程度の利回りが得られ、安全でありながら同時にキャピタルゲインも狙える投資対象があれば、マネーは迷わずそちらに流れる。マネーはどんなときでも、ヒューマンモチベーションの法則に従う。そして、 利回りと値上がり益の双方をベストな形で得られる選択肢があるのなら、全世界のスマートマネーはその最も論理的な選択肢を選択する。

 

FRBは投資家と同じように株価を気に掛けている。 アーサーバーンズであれ、 ポールボルカーであれ、またアラングリーンスパンであろうと、 FRBの議長はみんな極端な株価には懸念を示してきた。バーンズが在任中に開発し、 実際に利用していたモデルが存在する。


FRBに対する社会の信頼度は株価に最も直接的に反映され、そこで得られた信頼は金融システムの円滑化に欠かせないものなのである。


FRBには株価の評価基準があり、ずっと以前からその指標を利用して金融政策を決定してきたようである。

 

指標計算ではまず、S&P500指数のフェアバリューに対する比率を計算する。つまり、今後12ヵ月の予想1株当たり営業利益を、10年物の財務省長期債券利回りで割り、そこから100を引いて求める。 これに関してはYardeniのWesite上に詳しく載っている。Yardeniは時折過剰なまでに悲観的発言をする人物で、 特に2000年問題への警戒ぶりでは有名だったが、同時に2002年の安値においては数少ない強気論者のひとりであった。

 

この指標は投資家、そしてFRBにとって、株価の行き過ぎを教えてくれる。


Figure8は、とても分かりやすいチャートだ。指標が+20を上回れば、過去のパターンからいって、 株価は過大評価されていると判断でき、 その後には一定規模以上の株価下落が起きている(差し当たりfigure7参照)。


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参照

Stock Market Briefing: Fed’s Stock Valuation Model Monthly/Weekly Yardeni Research, Inc
https://www.yardeni.com/pub/valuationfed.pdf


逆に-10%を下回れば、株は長期的な買い場を迎えていると考えられる。


この指標は、1999年に65%を上抜け、 2001年、2002年にはニュートラルゾーンまで落ち,以降マイナス圏で推移している。論理的に考えれば、 この先も過小評価の局面が続くはずだ。

 

なお,ITバブルの発生と崩壊のメカニズムとしては,当時,FRB 議長が高すぎる株価を「根拠なき熱狂」と評したが市場は減速せず,FRB はその後も金利を6% 以上に引き上げ,IT バブルを抑制しようとしたが2001年にFRBがFFレートの下げに転じたことで「根拠なき熱狂」は終焉した。

 

その結果,2000年に0%近傍になり,2003年にこの指標が-10%以下を記録した。そのときには、 投資家はFRBの力に助けられることになった。 つまり、FRBはその指標値から、 株価が安すぎるのでマーケットの上昇を図らなければならないと強く感じたと推測される。

 

 

Yardeniの現状認識

 

株式市場の評価倍率については様々な議論があるが株が安くないことは誰もが認めるところ。S&P500のフォワードPERは高い。2020年の後半から20~23の間で推移。12月7日(火)には21.2だった。

 

議論されているのは、下落の時期が過ぎたかどうかということだ。問題は、インフレが急増し、FRBタカ派的なガイダンスを強めているにもかかわらず、なぜ2021年になっても高止まりしているのかということだ。

 

考えられる答えはたくさんある。最も理にかなっているのは、超緩和的な金融・財政政策が過剰な流動性を大量に生み出していることだ。

 

この過剰流動性の一部は株式ファンドに流入しており、10月までの過去12ヶ月間でETFへの純流入額が7074億ドル、ミューチュアル・ファンドからの純流出額が3218億ドルとなり、3855億ドルを集めた。株式ETFの購入者は、ミューチュアル・ファンドポートフォリオ・マネジャーに比べて、バリュエーションを重視しない傾向がある。このことは、評価倍率が非常に高いままであり、FRBの引き締めにもかかわらず2022年にもその状態が続くかもしれない理由を説明しているのかもしれない。

 

ちなみに、バリュエーションの掘り出し物を探しているのであれば、火曜日のS&P 400 MidCapsとS&P 600 SmallCapsのフォワードPERは16.0と14.8。

 

Hirschの分析

少し古いものになるが,CPIが急上昇している間(物価上昇局面)ではダウは停滞し,その後ラリーするという分析がある。

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