#株式投資ノート

個別銘柄の分析やPFの記録など

マザーズ注目銘柄 #いつも ファンドビジネスにおけるロールアップ戦略との共通性など #日本株 #マザーズ

 今個人的に再注目の銘柄

 

今,個人的に最注目の銘柄は,いつも(マザーズ・7694・2020年12月上場)という会社です。21年3月期四季報予想売上高86億で時価総額250億だから,PSR評価はしないみたいです。いわゆるサブスク銘柄ではないということで公募価格も決まっているし市場も納得しているということかと思います。予想PERは63x。高いようにも見えるんですが,まあそれでもいいという感じで見ています。

 

漠然としてた成長戦略がしっかりしてきています。

私が考える同社の成長ドライバーは,実質的には

①売上連動の報酬体系サービス→固定収入→サブスクリプションビジネス化

②ECブランドのアグリゲーション→海外ファンド業界で今旬で相当IRRを出せる

という2点です。データビジネスとかも書いてあるのですが,これは無視します。

www.nikkei.com

 

①も非常に良い戦略ですが,成長可能性資料に書いていなかった②について,以下で詳述します。

 

昨今,ファンドビジネスにチャレンジする新興企業が増えています。
代表的なところではコスト削減コンサルのプロレド,組織コンサルの識学,です。いい会社を選別してまた,ポートフォリオの管理に内部的視点からアプローチできるのである意味勝ちゲームですし,単純にコンサルフィーを取るより,取らずにEBITDAを良くすれば,例えば同じ期間5年やるとしてコンサルフィー収入と比較して,その5-10倍程度のネットリターン(売却価格-取得価格)を享受できます。ぜひやるべきです。

 

しかし,いつものやり方はこれとは根本的に違うスタイルです。

 

PEファンドが好きな安定的なキャッシュを生み出すキャッシュカウを買い集めるビジネスです。PFを構築してガチで儲けれるスタイルです。

 

 

本事業の内容

 

本事業の概要は、リソース不足、資金不足、ECノウハウ不足しているD2C・ECブランド企業に対して、当社がD2C・EC事業成長に必要な経営支援を行うことで、M&A・出資先の事業価値を高める事業です。

 
 


(1)M&A・出資先について

M&A・出資の主な対象は、下記です。

・年間EC売上げ規模が5000万円~3億円程度のD2C・ECブランド企業
・Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECプラットフォームや自社ECサイトに出店しているD2C・ECブランド企業
・化粧品、食品、ベビー、日用雑貨、インテリア、ペット、電化製品、アパレルなど複数カテゴリーを対象とし、その中からM&A・出資後に成長する余地があるD2C・ECブランドを適切に選定いたします。


(2)M&A・出資後のバリューアップ支援について
 

M&A・出資後には、当社が保有する事業成長の資金、EC専門人材、EC販売ノウハウ、商品企画・開発、倉庫・フルフィルメントを投入することで、各ブランドの売上げ・収益を伸ばし、さらに国内の別ECプラットフォームへの追加出店や海外販売(中国、ロシア、ASEAN、アメリカ、ヨーロッパ等)など行うことで、各ブランドの事業価値を高めていきます。

また複数ブランドを統合することによる新たなメリットとして、仕入れ費、物流費用、広告費、採用費、バックオフィス費なども共通化しコスト削減を図ります。

すでに、D2C・ECブランド企業へのM&A・出資とその後の販売支援を行うための専門部署を設置済みです。

 

(3)本事業の背景と目指すビジョン

当社がこの事業に取り組む背景として、消費全体がオフラインからオンラインへ移行し、EC市場が成長する中、日本には魅力的なD2C・ECブランド企業が多数生まれながらも、一定規模になると、資金不足や人材不足によって事業が頭打ちになってしまう場合が多くあります。また現在成長しているD2C・ECブランドであっても、当社支援を投入することによる成長余地がある場合もあります。

創業以来、当社はのべ9800件以上のECプロジェクトで、D2C・ECブランド企業に対して、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECプラットフォームや自社ECサイトごとに最適化した、戦略立案、ブランディング、商品企画、デジタルマーケティング、サイト運営・クリエイティブ、倉庫・フルフィルメントを提供しております。また当社は様々な商品カテゴリーのEC市場・購買データ基盤を保有し、各ブランドのEC市場規模や成長余地、必要な広告投資額を緻密に予測し、M&A・出資先の売上規模や商品カテゴリーなどのポートフォリオ分散も考慮しながら投資を行います。

このように当社の保有するケイパビリティを生かし、D2C・ECブランド企業の一層の成長に貢献し、日本を代表するブランドを国内・世界に輩出していきます。

目標として、当面、M&A・出資資金は30億円程度を準備し、数年でM&A・出資数は200ブランドを目指しています。

 

prtimes.jp

 


30億の予算で,200ブランドを取得予定とのことでかなり分散投資になりますが,アグリゲーションによるシナジーはその分大きいです。

エントリーマルチプル次第ですが,国内では敵なしだと思うのと,イグジットニーズは切実なのと,ほとんど失敗はないと思うので,種銭30億をIRR30%以上では回していけるのではないかと勝手に憶測しています。

 

会社の時価総額もまだ250億程度なので十分本事業が成長に寄与すると思います。

 

では,このビジネスは確証があるのか?という点が気になるところですが,

海外ではECショップアグリゲーションに今キャピタルが集まりつつあります。ドライパウダーで1000億ドルということは,日本の30億円くらいはすぐに使い切れるでしょう。

 

アグリゲーターは成功した小さな商店をすくい上げ、大規模で儲かるポートフォリオ企業を作り上げている。買収は主にエンジェル、ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティファンドによって促進されている。アグリゲーターは、数十万ドルから数百万ドルの範囲で支払っているようだ。

Mark Daoust(Amazonの売り手と買収者の間の仲介役を務めるQuiet Light Brokerageの創設者兼CEO)は、Amazonマーケットプレイスビジネスの売買に関して、週に約3回の電話を受けている。関心の多くは、PEファンドからのものである。
Daoustは、この買収の急増は数年間続くと考えている。彼は次のように述べている。

「投資家はディールフローに飢えている。大規模な富の移転の始まりの段階にある。」

彼は、ドライパウダーが10億ドル以上あると推定している。

主要なプレーヤー
#Thrasio
#BoostCommerce
#Goja
#Heroes
#Heyday
#Perch
#SellerX

 

こちらにまとまっています。

onlinebusinessbroker.mystrikingly.com

 

Amazonや楽天に限らず,ShopifyやBaseの個人商店も買っていけると推測します。昨年のShopifyやBaseの躍進は目を見張るものがありましたね。

 

また,コストの共通化によるバリューアップ以外にも,Pinterestを活用するなどの広告の改善でトップラインを伸ばしていくこともできます。

 

基本的に,ビジネスが確立した状態で買える点が利点であり,対象のビジネスは基本的にリピート需要のあるストックビジネスを優先的に選んでいくと推測されます。

 

 

 

PEファンドにおけるロールアップのセオリー 

 

最後に理論的な話を。

 

ロールアップ戦略とは,小規模事業者が多数存在する業界で,M&Aを繰り返しながら規模を拡大して規模の経済による競争優位と収益力を達成し,しかるべき規模を拡大できた段階で株式公開するという戦略をいいます。

 

例えば,1987年にルイヴィトン社とモエヘネシー社との合併で設立されたLVMHは,ロエベセリーヌジバンシーなど,それぞれが長い歴史を有する高級ブランドビジネスを展開する企業を買収して事業展開をしています。

 

ロールアップ戦略では,プラットフォームとなる会社をつくり,その会社の株式と現金を組み合わせて他の会社を買収して規模を拡大します。

 

最近であれば米国ではペットショップのロールアップ,日本であれば調剤薬局のロールアップが成功事例といえると思います。

 

こちらは2021年1月のブラックロックのレポートですが,これからヨーロッパでは小規模な民間病院のロールアップがニーズとしてあるとされます。PEファンドのビジネスにおいては常にロールアップは戦略に入ってきます。

www.blackrock.com

 

 

ロールアップ戦略にて成功するためには,以下のような留意点があります。

 

対象の事業規模が大きいこと:業界規模が大きければ,ロールアップの候補となる企業数が多く,統合を推進する機会が多い,ロールアップ戦略の最終ゴールを株式公開とする場合は,例えば売上高300億円か必要と見積もられれば,その売上に達するまで適切な企業を探し出し,買収し続けなければならない。

非寡占の状態である業界であること:独占的な状態になければないほど,ロールアップ戦略によるシナジーや規模の利益を追求できる。分散された業界の方がチャンスがある。

業界に成長性・収益性があること:業種特性や個別企業の収益性については,事前に十分調査・分析をする必要がある。

業界のオーナーたちがロールアップに興味がある:ロールアップの対象となる企業のオーナーの多くが,統合して規模の経済性を追求することに興味を持っていること。

プラットフォーム企業そのものの経営基盤が強固である:まず主体となるプラットフォーム企業が,ロールアップ戦略のための適切な企業を引き付けるために,規模が十分大きく質の高い経営基盤を持っていることが不可欠である,買収後の統合をできるだけスムーズに進めるための柔軟な経営管理システム,買収ノウハウと業界知識・経験を持つ経営者と,買収先との統合を実行するスタッフ,そして友好的な買収を行うための人脈も必要である。

 

反対に,ロールアップが失敗する場合の原因の代表例は,以下のとおりです。

 

 統合作業の欠如:買ったはいいけど放置プレーの場合。

思慮の浅い買収:短期間の事業拡大を目指したために,対象企業を十分分析せずに買収を決めてしまうと,買収後に対象企業の抱える問題点が浮上し解決に手間取るか,あるいは買収した後で,その企業にはロールアップのメリットや統合のシナジー効果が表れないことがある。また,組織が拡張されても従業員が効率よく働くことができる環境を整えるなどの内部的な成長も実行する必要がある。

楽観的すぎる戦略:短期的に収益が上がるなどの楽観的すぎるシナリオを描き,その戦略を実行できず,投資家の信頼を失う。

事業が集中しきれない:広範囲な事業内容に関してロールアップ戦略を実行すると,統合効果が得られない。米国では,類似するとして10業種にわたる約120社の企業群をロールアップの対象とした企業は,事業内容を広げすぎたために,シナジー効果が表れず破綻してしまったという例もある。

プラットフォーム企業の経営能力が欠如:経営者としての資質やリーダーシップが欠如している場合は,ロールアップ戦略に失敗することが多い。ロールアップの対象となるような小規模の会社は,ノウハウがある社員が集まって会社を運営しているものだが,チームとして,あるいは企業の組織としての基盤が強固に備わっていないことが多々あるため,求心力が必要となる。

買収金額が高価:プラットフォーム企業の財務状態からして高価すぎる金額で対象企業を買うと,後々その買収資金負担が足かせとなって,収益状況の悪化を招く。競合他社が既にロールアップ戦略を実施しているために後手に回り,良質な企業を買収できない。

 

onlythegoodyoung.hatenablog.com

 

 

総括

 

ざっと上記考慮要素をみただけでもいつもの戦略が筋が良いことは気が付くと思います。

 

アメリカでは,Amazonサードパーティの売り手の54%が副業として運営している,という分析があります。

 

Amazonでの販売は時間と手間がかかるものです。多くの場合、リソースが限られているため,拡張はおろか更新・メンテナンスすらままならなくなることがあります。また,従業員の雇用もなかなかできません。フルフィルメントだと儲けが減ります。また,在庫とサプライチェーンの混乱や大きなクレームは,小規模な売り手にとって壊滅的なものとなり,資金不足やリーガルリスク対応で,Amazonからの撤退も余儀なくされる可能性が常にあります。また,アカウントがよくわからない理由で停止されたり,アルゴリズムの変更でそれまで積み上げてきたものがおじゃんになる可能性もあります。これらのことを小規模事業者は煩わしいと感じたり,恐れていたりします。

 

一定数の商店主は,もう当該プチ成功したビジネスはキャッシュ化してしまって,新しい商売や投資の機会を求めています。個人が負えるリスクサイズの問題であり,これはより大きいリスクサイズを許容するプレーヤーとの間で,相互にメリットがあるかたちで健全にディールが成立します。

 

米国株では$RPRX(ロイヤリティ・ファーマ)が好きな方も多いと思いますが,いつもも構造的には同じ形で,株式を買うときは当該ファンドにLP出資するようなイメージを持つとよいかと思います。

 

懸念点として,決算の数字が汚くなって,ソフトバンクG(9984)のように,NAVを見ていかないといけない形にはなるか?という点が気になる方もいるかもしれませんが,上場により一挙にバリューは上がるがキャッシュフローは断続的というソフトバンクGの非上場銘柄群PFとは異なり,すでにキャッシュを生み出すビジネスを買っていくいつもの場合は,この心配はないと思います。