#株式投資ノート

個別銘柄の分析やPFの記録など

$ZM のパラボリックな下げはどこまで続くのか?

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Zoom Videoのパラボリックな下げが止まりません。昨日(3/8)も-7.85%の強烈な下げとなりました。ネックラインも割ってきており,次は250ドルか?とも言いたくなってしまいます。

 

原因は,

①バリュエーションの観点からすると,金利の上昇と同社の成長率の鈍化に対するネガティブな評価による,理論株価の低下

②同社の株のホルダーのロスカットやARK ETFからの資金の逃避

③集団免疫によるライフスタイルの復元により,コロナで恩恵を受けていた銘柄のストーリーの崩れ

バリュエーション,需給,ストーリー,いずれの観点でもネガティブが揃ってしまったことが相乗的に作用しているものと考えられます。

 

それに対して,これがどこまで続くのか,ということが意識される水準感に来てはいると考えられます。上記各観点から転換点の意識につながる最新状況を整理したいと思います。

 

①バリュエーション

$ZM 4Q決算発表(2021/3)

結果

 売上高成長率 前年同期比+368.8%
 営業CF 前年同期比+993%
 FCF 前年同期比+1321%

 グロスマージン 69.7%
 営業マージン 29.0%

2022年度新ガイダンス
 EPS $3.59~3.65
 売上高 $37.6~37.8億

 

最新時価総額(2021/3/8) 905億ドル http://wallmine.com/nasdaq/zm

 
決算直後3/2の寄り付き時点の予想PSR 31x
3/8大引け時点での予想PSR 24x
5日間で,-22.6%のディスカウント
※2021/1期→2022/1期 通年ベースでの売上高成長率 42.6%
 

ARKは決算内容については非常に高評価です。

www.youtube.com

 

金利(10年債利回り)がまだまだ上がるかヨコヨコで落ち着きを取り戻すか,この点については両論あり,論争が続いています。FRBのテーパリングやConvexity HedgingやSLRやインフレ期待に関するマクロ投資家の議論や,金利上昇時の債券買い→金利低下→株式低落底打ちのスタビライザー論や,いろいろな議論が錯綜しています。ここに関しては誰も確定的なことは言えないのではないかと思います。

 

②需給

需給の観点では,ARKが今Zoom Videoの利確に走っているのか買い増しに走っているのかという点は,見逃せないと思います。彼らはETFからの資金流出に対して,銘柄の絞り込みで対応する必要がありますが,ポジション減少に抗いながらも買い増ししている銘柄の一つにZoom Videoが入っている状況です。

先週のARKの買い増し銘柄
$BLI $ONEM $SKLZ $PLTR $ZM $DKNG

先週のARKの売り越し銘柄。

$GOOGL, $TSM, $ROK, $NVDA, $FLIR, $NNDM, $SSYS

ARKは長期目線で原資産の価値上昇を考えています。
一方,ARKのETFのホルダーはモメンタム重視の短期目線です。まあ,短期目線にならざるを得ない(一旦利確するというのが合理的な判断となる)ここまでの急速な上げと言えました。
ARKはアウトフロー(=原資産の売り圧力)に対し,徹底的に攻めたリバランスで対応するしかありません。需給要因で株価が大きく下がった銘柄から切っていくと言ったパッシブなスタイルは,彼らの信じるエッジの利いたテックから切っていくことになるため,採りえないスタンスです。私としては,今そういった意味で,値動きのマイルドな大型株からキャッシュ化し,アンダーバリューに入ってきたと言える需給でやられた銘柄をナンピンして買い増していき,そこにアロケーションを集中していく考え方は,一見,ポートフォリオのリスクを高める行為と見えますが,それらの銘柄が長期的に見て「上」ということを前提とし,また,今強烈な下げを食らっているのは企業の本質的価値と関係ない要因であると仮定すれば,単純にリターンを高める行為であり,一貫しており,よく理解できます。そこを情報面で支えるリサーチャーや切った張ったのできるインベスターの腕を市場参加者がみんなが信じ始めるのがいつ来るか,あるいは来ないかが,転換のポイントの一つといえます。

信用買いで買っている個人投資家にとってはここまでの下げは強烈です。日本だと買い方の信用評価損益率が-20%に来たら一般に底値サインとは言いますが,ここ数日あるいは先月からの下げで本銘柄単独では-20%を超えているホルダーが大多数ではないかと推測されます。ここで売り枯れとなって買い優勢となる分岐点がこの評価損益率の指標として有用なわけですが,例外的な場合,追証回避の投げ売りをさらに誘発するラインとなることもあります(流動性リスクの顕現)。日本では委託保証金額は信用取引の建値からのマイナス額を引いたベースで計算されるので,保証金維持率40%で信用取引をしたとしても信用ポジションが-20%になれば,保証金維持率が20%となり,追証ライン,強制決済ラインです。米国では信用取引の仕組みや個別株のコールオプション取引もあったりと,相違点が多いとは思いますが,もっとハイレバで参加しているのではないかと推測しています。

そういった意味では,今ちょうどナイフの上に立っているような状況です。落ちるナイフは掴むなという格言に則ればここで日足陽線が2本ついてくらいから買い向かうのが少しは安全なやり方ということもできると思います。

足元の需給環境はとても「悪い」です。なお,敢えてProとCon両方上げるという意味でポジティブな材料を挙げるとすると,昨日3/8,引き続き大きな陰線を付けた日ですが,大引けで228690株という大きめの出来高(7100万ドル相当)で,1分足のトレンドラインを上に抜ける形での「買い」が成立しています。340ドル付近が一つ目の上値抵抗線になると考えられます。

 

③ストーリー

ストーリーについては,コロナ後もステイホームの仕事スタイルが続くかどうか,という点がイシューになっています。この点はARKは続くというスタンスです。Zoom及びZoom Phoneのニーズは続いて成長軌道が続くというスタンスです。

ただ,懸念されるのがその点とは別に競合の存在です。現在,時代を読み切って最高のマーケティングを行ってトップシェアに上り詰めたZoomですが,下記のような他のサービス,また,バンドル系のTeamsやSkypeGoogle Meetなどのサービスとの競争激化が懸念されるところ,そこに対してどう優位性を維持していくのかについて,明確なサポートコメントが見つけられないのが気がかりです。

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http://chrome-extension://gfpdknjgjlakoegfncghjdggmolfocpa/screenshot.html?id=100

 

なお,強力なサポートコメントとしては,Zoom Phoneを軸とした展開で今後の成長も維持されるというものがあります。

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もしかするとショート勢の勝ち?

なお,ショート系投資家のマイケルバリーは,同社の株価が588ドルを付けた昨年10月に本銘柄のショートポジションを立てたというTwitterでの書き込みも発見されました。このシナリオであれば彼は十分勝ってるわけですが,どこまで下がるとみているか(ショート勢の利確ライン),これも底が見えないチャートとなってきており,不気味です。ただし,これは潜在的な買戻し需要といえますので,ショートがたまってくれば下値が重くなり底打ちが確認できるはずです。

  

さらに,ここまでの状況がよく整理されている動画を補足的に紹介いたします。こちらはトーンとしてはBullishです。

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皆さん不安に思われていると思います。これらの整理に基づいて,日々マーケットと対峙していただければ,本記事がいくばくか,参考になるのではないかと思います。