近年,存在感を高めているバイアウト・ファンド。その活用局面について今回は整理説明したいと思います。
1. カーブアウト
戦略的な「選択と集中」という方針において,本業と定義されない子会社を切り離す大企業が増えている。例えば製造業の会社が,不動産事業あるいは専門商社などを営んでいる子会社を切り離すといったケ-ス。
2. 事業承継
オーナー企業の事業承継ニーズが多い。創業者の家系から後継者を選出しない場合,いったん企業をファンドに預け,ファンドのサポートを得て企業価値を高め,しかるべきタイミングで後継者になるべき経営者や事業会社に譲渡するという戦略をとることがある。また,相続を見据え,ファンドへの売却を選択することもある。
3. ホワイトナイト
敵対的買収を受けた事業会社がバイアウト・ファンドを友好的な投資家として招聘するホワイトナイト投資。
4. リキャップ
借り入れた資金で自社株買いをするなどして既存株主が投資資金を回収するといった資本・借入構造のリキャピタライゼーションを実現するため,バイアウト・ファンドを活用することがある。