バフェットの経営哲学⑦ 7つの心得
本稿では,株主の役割と経営者がどう企業を経営し,どう株主に接するべきか,バークシャー・ハサウェイのケースをベースにして考察している。第7回。
まとめ 7つの心得
①理想的な株主構成を実現するためには首尾一貫した経営行動が求められる
②業績指標を明確にすることにより投資家による業績の判断をサポートする必要がある
③選定する業績指標を短期的な財務指標ではなく,長期的な企業価値創造に求められるバリュードライバーに設定することが,長期的にコミットする投資家を引き寄せるのに効果的なアプローチとなる
④財務戦略の策定においては,株価や短期的な財務指標に大きな影響を与える可能性の高いものを実行するのは避けるべき
⑤財務戦略は地味な保守的なものにとどめ,実績で投資家に注目される努力をすべき
⑥情報開示の拡充は望ましいことだが,開示すべき情報は企業が決定するものであり,投資家にコントロールされることは避けるべき
⑦ある情報を開示すべきか否かの判断は,投資家の満足度ではなく,内在価値の算出への有効性に基づくべき(決算結果の詳細の説明と長期的な見通しの二本柱)