k's point of view

経営を本業とし,その現場で毎日活動しています。このブログは,旧司法試験の問題を中心に,新たに実務的視点で考えてみるブログでしたが,最近は,ビジネス関連の雑考や法律・ビジネス関連の書籍紹介の記事が多くなっています。

バイアウト・ファンド論② ソーシング論①

 

 

Column

情報の分布と信頼関係による情報取得


投資対象企業の情報がどこにあるか。バイアウトの投資対象企業は日本全国,アジア各国,世界中に存在するわけであるから,案件開拓と称し,ただ闇雲に情報を足で開拓しようとしても,労多くして益少なし,である。

バイアウトに適格な対象企業がどこなのか,そしてその企業の経営戦略や財務状況,社風,従業員の質,さらにはファンドからの投資を受け入れる素地があるかどうかなどの内部情報が,どこに存在し,集積しているかである。

まず,最重要の情報集積の場は,経営トップ。会長・社長・創業者オーナーと腹を割って意見交換をできる関係にあることは,何よりも重要。売却する側の企業の経営陣であれ,独立する側の企業の経営陣であれ,経営トップの面々との対話にこそプライマリー情報がある。

経営トップ以外のところで,典型的に投資情報が集積しているのは,銀行・証券・生損保などの金融機関や,大企業や商社といった情報ネットワークを有している企業の,M&Aや営業の第一線に関連する部署である。

 

大手戦略コンサルティング会社でも,戦略全般についてのコンサルティングだけでなく,M&Aにつながる相談を受けていることがある。

 

一人から数人の個人ベースでのコンサルタントも,企業オーナー経営者の懐刀としてプライマリー情報を把握していることがある。

 

事業を営む大企業であれば,経営企画部門に情報が集積されていることが多い。また,事業本部やカンパニーのトップやスタッフのところに情報が存在することも多い。

企業の買収に関する情報は,機密中の機密情報である。従って,単に担当者を知っている,あるいは名刺交換をしたというだけではだめで,このような部署の人たちと,メリットのある提案や情報が持ち込めているといった信頼関係が構築されていれば,お互いに有益となる情報交換をすることができるようになる。

 

また,1件の案件について紹介を受ければ,仮にその案件が投資に至らなくても,相手にとって有益なアドバイスや分析を行ったり,投資の是非の返答を迅速に行ったりするなどのしかるべき対応を実施すれば,信頼関係を深めることは可能だ。