k's point of view

経営を本業とし,その現場で毎日活動しています。このブログは,旧司法試験の問題を中心に,新たに実務的視点で考えてみるブログでしたが,最近は,ビジネス関連の雑考や法律・ビジネス関連の書籍紹介の記事が多くなっています。

解説 #改正民法 #瑕疵担保責任

民法が改正されました。

本稿では,瑕疵担保責任の規定について考えてみたいと思います。

 

改正前の民法第570条は特定物の瑕疵担保責任を,無過失責任として規定したと解する考え方があった。これは特定物ドグマを前提として,特定物の品質不良に関して債務不履行を観念できないという前提で,買主保護のために敢えて短期の期間制限を設けて責任追及の余地を与えたという制度理解であり,一時期は通説的地位を獲得していた。

改正後は,特定物であろうが種類物であろうが品質不良は契約責任で一本化したと解するのが妥当である。

理由は,
①改正後の民法第562条第1項本文は単に「引き渡された目的物」と規定しており,種類物と特定物を区別する手がかりを与えていないこと,
②改正後の民法第564条は,第562条の品質不良の責任は第415条で規整されるべきことを明示していること,
③改正後の民法第566条には,品質に関する担保責任内容として,履行の追完・代金減額と並列で損害賠償請求と解除を列挙していることから,民法第564条と併せ読んでみても民法第415条の責任と本条で規定している担保責任が別個独立のものであることは相当苦しいとみられること,
民法第415条の「債務の本旨に従った履行をしないとき」とは文理的には民法第562条の契約不適合をも含む広い概念と解されること,
の諸点から,法定責任説は採り得なくなっているからである。

また,改正前から学説では契約上の品質保証責任は実質的には不可抗力免責のみを認めるだけの無過失責任という理解が有力になってきていたことから民法第415条に一本化する方が合理的と解されるようになってきていたことと方向的にも符合する。

なお,改正民法では,以前の瑕疵担保責任という用語に代えて「目的物の種類又は品質に関する担保責任」という用語を採用している(民法第566条表題)。

 

 

Before/After 民法改正

Before/After 民法改正

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