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k's point of view

経営の現場で,サラリーマンとフリーランスの境目にいる者です。旧司法試験の問題を中心に,新たに実務的視点で考えてみるブログです。その他ビジネス関連の雑考や法律・ビジネス関連の書籍紹介もいろいろ記載していく予定です。最近は映画についての感想も縷々書いています。

憲法における三段階審査論

公法 司法試験 憲法 新司法試験 法律

 

スターバックスでラテを飲みながら憲法を考える

スターバックスでラテを飲みながら憲法を考える

 

 ( スターバックス憲法??と思いましたが結構良い本です。)

 

 

三段階審査とは,審査を三段階に分けて,

まず一段階目で原告が制限されていると主張する利益が憲法上の権利かどうか,それが保護範囲に含まれているかどうか,

二段階目は事案で問題となっている法令や処分が実際にこの保護範囲に含まれている権利を制限しているかどうか,

三段階目は一段階目と二段階目を踏まえ,保護範囲の中核にある権利を直接に制約していたら厳格な審査をするというように,その制限を正当化できるかどうか

をみる,というものである。

 

 

憲法I  基本権

憲法I 基本権

 

 

 

憲法上の権利の侵害の有無を,まずは原告が主張している具体的な利益が憲法上の条文によって保護されている権利といえるかをまずチェックし,次にそれが国家権力によって(私人によってではなく),あるいは本人の同意があるわけではなく,個人の権利が公権力により制限されているかということをチェックする。それぞれの場合にその保護の程度,あるいは制限制約の態様等を分析しておいた上で正当化判断を行う。

 

10年以上前,当時からこれを提唱していた学者はいたようだが,自分も学生のころに独自にこのようなことを考え,松井茂記教授(大阪大学ブリティッシュ・コロンビア大学)と少し議論させてもらったことがあるが,考えてみれば法律家として当たり前の考え方で,保護範囲・制限・正当化の枠組みは,刑法でいうと構成要件該当性→違法性阻却の判断をしているのと同じ。学生の一試論に対し,松井教授も当時好意的に受け止めてくださったように記憶している。

 

日本国憲法 第3版

日本国憲法 第3版

 

 

これは一般的な法学のものの考え方で憲法上の権利侵害というものを見直してみようというだけのこと。付随的審査制の下で日常民事刑事行政のあらゆる法律問題に対処している裁判所はもともとこのような考え方で憲法審査に取り組んでいたはず。

 

 

LAW IN CONTEXT 憲法 - 法律問題を読み解く35の事例

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