読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

k's point of view

経営の現場で,サラリーマンとフリーランスの境目にいる者です。旧司法試験の問題を中心に,新たに実務的視点で考えてみるブログです。その他ビジネス関連の雑考や法律・ビジネス関連の書籍紹介もいろいろ記載していく予定です。最近は映画についての感想も縷々書いています。

ポケモンGOの法的問題と任天堂のdignity

ビジネス

f:id:q07025a:20160724112020j:plain

ポケモンGOでみられる光景。近所の水元公園も近い状況です。それにしてもいいおじさんたちがゲームをするようになりましたね。

 

ポケモンGOが発売されましたが,正直これ,法的にはかなり問題の多い商品だと思います。公共用物の公園とかならまだいいです。ただ,神社などの宗教法人所有の私有地にもモンスターたちを置いているようですね。また,GPSデータの誤差や登録時のミスなどにより一般の私有地(民家等)にもモンスターが配置されてしまうことがあるようです。

 

バーチャルとはいえ,他人の土地や建物(国会議事堂や役所など,公共の用に供するものではない公用物も含みます)の中に人を招くようなモンスターを展示・陳列するのは,勝手に他人の所有物を使用しこれで収益する行為であり,どう考えても他人の所有権の侵害(これは故意・過失・無過失を問いません)の論争は免れられないでしょう(民法第206条)。

 

公共用物でも道路などは危険な目的外使用であり,警察庁の許可が必要とも考えられます(道路交通法第77条第1項「道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為」)。各警察署への事前相談により行政指導を仰ぐことくらいはすべきでしょう。

 

少なくとも一つ一つの管理権者に承諾を取ってから置かせてもらうべきでしょう(その時はこのビジネスモデルは成立しないでしょうが)。無過失で置いてしまった場合でも償金を支払う程度の事は考えなければなりません(民法第703条 不当利得)し,GPSデータの誤差は既に公知の事実であり,その誤差を理由に無過失とは言えないでしょう(未必の故意不法行為民法709条や悪意の不当利得の民法704条が適用になる。)。

 

今は原則と例外を逆転させて既成事実化しようとしています。これは卑怯。

support.pokemongo.nianticlabs.com

 

また,ユーザーに対しては,規約で周到に損害賠償責任をまぬかれているでしょうが,ポケモンGOユーザーが起こして第三者に損害を与えた事故に関しては,任天堂にも過失があるとなれば,共同不法行為民法第719条)の責任問題にも発展しえます。

 

Googleストリートビューの時も強く思いましたが,IT企業はこういうことを平気でやってきてしまいます。何でも自分が一番と思い込んでいるんでしょうね。

 

任天堂は,自分たちは将来楽しみでしょう。しかし私は,いくらポテンシャルはすごくても,dignityの観点から,これには手を出すべきではなかったと思います。そうまでして自社のゲームで人を酔わせたいのでしょうか。人間のさがを感じます。