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k's point of view

経営の現場で,サラリーマンとフリーランスの境目にいる者です。旧司法試験の問題を中心に,新たに実務的視点で考えてみるブログです。その他ビジネス関連の雑考や法律・ビジネス関連の書籍紹介もいろいろ記載していく予定です。最近は映画についての感想も縷々書いています。

宗教国家・破綻国家の問題

世界情勢・世界経済

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イスタンブルのサバサンド売り場での光景(2009年ごろ)
 
 
【トルコのクーデタ】は、あっさり失敗しましたね。7年前2週間程度トルコに行きましたが,私のトルコの印象は,軍神ケマル=アタチュルクが世俗化を達成した近代国家というもので,当時コンビニでお酒が売られていたり,女性が働いていたり,ブルカがなかったり,これまで見てきたリビアやイエメンやサウジやマレーシアやインドネシアの人々の感じと比較しても,トルコはイスラムだけどリベラルさがある国だとみていました。
 
軍の中には,原理主義ではないものの反近代的傾向のエルドアン大統領に危機感があり,クーデタが起こったのでしょう。しかし,民衆の支持は得られませんでした。
 
近代化の成功による中間層の増大が、皮肉なことに近代主義者(トルコの軍エリート)のそれ以上の要求を阻んでおり,かえって,ある程度幸福になった中間層が,難民やクルド勢力の「外患・内憂」により,現状を維持するために反近代(独裁化)に進んでいるということなのではないでしょうか。
 
覚悟があり,自分の理念に忠実な軍人は,近代化の重みも理解して進むことができるのでしょうが,国家や社会の理念以前に家庭があり自分の生活が脅かされる中間層にとっては,その重みは耐えがたいものなのでしょう。
 
この傾向は,潜在的には【日本人】も例外ではありません。極東の島国という地政学的に有利な位置にあり,また,アメリカの作ってくれたブレトンウッズ体制やアメリカの全球的Sea Control政策によって助けられており,平和に安全に暮らしていられるからトルコやヨーロッパ各国のように追いつめられていないだけという気がします。
 
ここで,【イスラム教】の内在的な問題にも触れておきたいと思います。キリスト教仏教のすぐれているところは,世俗の権力と決別していること(政教分離),軍事力を持たないこと(軍神分離)だと思います。日本では,戦争の反省を踏まえ,日本国憲法では,国家神道を否定し,宗教と政治・軍を切り離すことに成功し,軍と政治も文民統制という形で(こちらは一応ですが)分離させることに成功しています。これは個人的には人類にとって必須だと考えているのですが,イスラム教はその点で異質さがあるのだとみています。
 
できればイスラムの大多数の方々も,「一部の原理主義者が」と遠ざけないで,同じ宗教を信じている者同士,各人が当事者意識をもって,原因にさかのぼって考えて自分たちでよい社会を作るような努力をしてほしいと思います。宗教のBright SideだけEnjoyすることは認められないと思います。
 
あとは【破綻国家】の問題があります。国民がちゃんと働き,産業やインフラを作り,脱税せずしっかり税金を納め,警察を整備し,治安を守り,「国内の治安悪化という毒」(トルコが一番の割を食っているように見えます)を海外にまき散らさないよう努力すべきだと思います。このことの重要性に気づいていない国や国民は,自らの貧困を嘆いて援助を求める前にもっと一国や一人一人が,大局観やビジョンを持ち,勤労,納税,公民の意識を持ってほしいと思います。
 
(ちょっと厳しすぎるでしょうか?)