k's point of view

経営を本業とし,その現場で毎日活動しています。このブログは,旧司法試験の問題を中心に,新たに実務的視点で考えてみるブログでしたが,最近は,ビジネス関連の雑考や法律・ビジネス関連の書籍紹介の記事が多くなっています。

日本の不況の原因と現状のメリット

(ドイツは調子がよさそうです。)
 
最近Brexitが世界,そして日本や韓国の経済に影を落としてますが,2週間過ぎた今はそれでも大分安定したようです。しかし、ユーロの価値が落ちているままで、ドイツ製品の価格競争力が大きくなりそうです。この状況で日本の企業たちはどんな風に対応してゆくでしょうか。
 
なかなか日本は不況から脱出できませんが,その理由を自分なりに考えてみました。
 
1.無駄に手順が多い(=とにかくみんなで決めたい)日本企業の業務プロセスの問題がまずあります。高コスト体質(+無駄に長い商流)で価格競争力がなくなっています。(円高の問題だけではないのです。)
 
2.技術への探求や商売の仕方を忘れたサラリーマン体質の日本全体の問題や日本の教育の問題が大きいのではないでしょうか。学問と事業経営の素養はあまり関係がないと思っています。
 
3.さらに,責任を取りたくないから,自分で決めない,自分から行動しない,人のやったことがあることをなぞるだけの人(=何も生み出さない人)が多いですね。(それでも結構いい暮らしができてしまうんです。)
 
4.企業も銀行もお金の使い道がありません(イノベーションをおこせる人がいない,昔のようなリニアな成長が見込めない)。
 
5.逆説的ですが,金利引き下げでかえって自然利子率(=企業の収益率目標)が下がり,景気を押し下げている。また,日本の景気が良くなっ ていないという印象を強くしてしまっている。
 
6.低金利が円高を助長している可能性がある(利子率の差を埋めるように為替が動くため)。
 
7.あと,国家財政の破たんが気になって,いくら財政出動金利引き下げを行っても消費を控えるというのもあるかもしれません。(ただ一方で日本の貯蓄率は下がる一方ではあります。日本ですら富の偏在化が進んでいるのかもしれません。)
  ※2007年まで日本政府の一般会計支出は83兆円程度だったのが,リーマン後の経済対策で100兆円へふくらみ,現在も90兆円台のままです。
 
8.政府も国債の消化が難しくなってきているのか,短期国債に手を出したり,日銀と組んで国債を直接大量に買わせたり,危険な感じが します。(日銀のバランスシートを見ると,平成25年度は保有国債は198兆円だったのが,平成26年度は270兆円,平成27年度は350兆円になっている!)
 
9.少子化
 
 
とはいえ,仕事がある人にとっては,円高・低金利・デフレ・労働組合・解雇規制・賃金の下方硬直性などによって,個人の実質可処分所得の増加効果や海外品の安価購入,資源の安価輸入による企業の利益率向上や光熱費の低下,固定でもきわめて低金利での住宅ローン設定可能等,メリットは実は多いんです。あまり暗いニュースに惑わされない思考の強靭さも必要ではないかと思います。