k's point of view

経営を本業とし,その現場で毎日活動しています。このブログは,旧司法試験の問題を中心に,新たに実務的視点で考えてみるブログでしたが,最近は,ビジネス関連の雑考や法律・ビジネス関連の書籍紹介の記事が多くなっています。

憲法

外国人に対する別異取扱いに関する憲法論

【問題】 アパートの大家Yは,Xが外国人であるというだけの理由で同人からの入居申込みを断った。これに対しXは,Yによる契約の拒絶は憲法14条に違反するとして,Yに対して不法行為に基づく慰謝料請求訴訟を提起した。この訴訟における憲法上の争点につき論…

憲法問題解析 LGBTの団体に対する公共施設の利用拒否

【事案】同性愛に関する正確な知識の普及と社会的偏見の解消を目的とするLGBTの団体A会の代表者Xらは,会員の活動報告の合宿のため,Y県に青年の家の宿泊利用を申し込んだところ,Y県当局は次の理由で利用を認めなかった。 同室宿泊は性行為の可能性がある …

公務員の労働基本権の判決

公務員の労働基本権に関する諸判例は,日本の憲法裁判史を考える上で重要である。 当初,公務員の労働組合が争議行為を行うことを事実上可能にするようなものではないか,ということで最高裁の中でリベラルな勢力があるのではないかというふうに当時の政権が…

文化祭の発表内容と宗教的中立性(旧司法試験 憲法 平成10年度第1問)

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者: マイケルサンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2011/11/25 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 204回 この商品を含むブログ (70件) を見る 【問題…

法律と条例(旧司法試験 憲法 昭和59年度第2問)

【問題】 条例と法律との関係における諸論点について、政令と法律との関係の場合と対比しながら、説明せよ。 【問題点の整理】 1.設問前段 2.設問後段(あくまでも比較のため) 原告 国(法律制定者) 国会(法律制定者) 被告 地方公共団体(条例制定者…

憲法問題解析:共有物分割制限と憲法上の財産権の保障

【問題】 最近,熱帯雨林の保護への関心が世界的に高まり,世界有数の木材輸入国である我が国も輸入木材への依存体質を改める必要に迫られている。そこで国会では,我が国の林業を発展させることで木材の自給率を上昇する必要があるとの観点から,森林経営の…

憲法問題解析:遺伝子操作を用いる研究活動の規制

【問題】 甲県では,県内に多数存在する民間の研究施設(大学を除く)における研究が,遺伝子操作などを行っていることに対して、次のような規定を有する「遺伝子操作規制条例」を制定したものとする。規制対象となる遺伝子操作の概念自体は明確であるとして…

民主制・司法権・裁判所(旧司法試験 憲法 平成9年度第2問)

【問題】 住民訴訟(地方自治法242条の2)の規定は、憲法76条1項及び裁判所法3条1項とどのような関係にあるかにあるかについて論ぜよ。 また、条例が法律に違反することを理由として、住民は当該条例の無効確認の訴えを裁判所に提起できる旨の規定…

憲法における三段階審査論

はじめに スターバックスで憲法??と思いましたが結構良い本です。今回は憲法における三段階審査論についてご紹介します。 スターバックスでラテを飲みながら憲法を考える 作者: 松井茂記 出版社/メーカー: 有斐閣 発売日: 2016/05/02 メディア: 単行本(ソ…

海外旅行の自由(旧司法試験 憲法 昭和61年度第1問)

海外旅行の自由(旧司法試験 憲法 昭和61年度第1問) 「ただし,たとえ旅券法の規定が法令として違憲とはいえないとしても,海外旅行の自由が持つ重要性(精神的自由の側面)を考慮するならば,個別事例において,外務大臣の裁量逸脱を認めるべき場合が存す…

公共施設における表現規制(旧司法試験 憲法 平成8年度第1問)

問題 団体Aが、講演会を開催するためY市の設置・管理する市民会館の使用の許可を申請したところ、Y市長は、団体Aの活動に反対している他の団体が右講演会の開催を実力で妨害しようとして市民会館の周辺に押しかけ、これによって周辺の交通が混乱し市民生…

性犯罪者のGPS監視と行動範囲制限(司法試験 平成28年度 公法系第1問(憲法))

世間の流れに逆らって平等権で構成しています。以前に投稿していましたが,考察を深め,少し手を加えました。 onlythegoodyoung.hatenablog.com 【問題】 20**年5月,連続して発生した次の2つの事件により,性犯罪者に対する再犯防止に社会の関心が集…

平等に関する公法学の基本フォーマット

平等条項の解釈論は、憲法学にとって最大の難問のひとつとなっている。 「平均的に皆を等しい扱いをする」ということが正義なのか、それとも配分的正義、「その人に相応しい扱いをすることが大事なのか」、これが正義に関する議論の原型になっている。 この…

知る権利・プライバシー権

ナントカ県に在住する太郎は,県が自分の思想信条についての個人情報を保有しているのではないかと疑い,同県の情報公開条例に基づき思想信条に係る自己情報の公開を請求した。 ところがナントカ県知事は,「条例第5条では『特定の個人を識別しうる情報のう…

輸血拒否 憲法問題解析

【事案】 Xは,手術をすれば当面は生きながらえる中期のガンを宣告された。かねてから輸血の医学的な安全性に疑問を有していたXは,国立病院の担当医師に対して無輸血手術を申し入れ,医師がそれを了承したため手術を受けた。その結果,Xのガンはさしあたり…

公務員の人権 憲法問題解析

【問題】 国家公務員法は,公務員の政治活動の自由及び労働基本権を制限しており,判例はいずれに対しても国民全体の共同利益を理由として合憲判決を下している。これらについて論ぜよ。 (参照) 国家公務員法第102条第1項 職員は・・・・・・人事院規則で定める…

大麻推進を政治的信条とする滑稽さとリベラリズムの観点から見た大麻使用の自由

先日,2件続けて大きな大麻事犯があった。 一つは智頭町,一つは石垣島の事件。 石垣島の事件の方は,一人の女性が大麻推進を主張の核として選挙に出ていたのが記憶に新しい。 この主張は「この健康食品は体にいいから推進しましょう」というようなもので,…

外国人の人権保障 憲法問題解析

【問題】 在留資格を有し,日本に長く居住し続け事業を営む外国人Xは,憲法上生存権の保障を受けるか。また国政選挙並びに地方選挙につき参政権の保障を受けるか。比較しつつ論ぜよ。 【問題点の整理】 生存権・参政権の人権としての性格論に立ち返るとこの…

政治的信条・私的空間での表現行為を理由とした公務員の正式採用拒否(新司法試験 平成27年度 公法系第一問 〔憲法〕)

新司法試験の問題にチャレンジしてみました。旧司法試験の頃よりは長文の問題であることや問題もこなれておらず,受験当時は苦労しましたが,最近の新司法試験の問題はとてもこなれており書きやすくなりました。 解答作成には1時間半程度かかっています。 …

【憲法】内容規制と内容中立規制(旧司法試験 憲法 平成3年度第1問)

【問題】 「市の繁華街に国政に関する講演会の立て看板を掲示した行為が、屋外広告物法及びそれに基づく条例に違反するとして有罪とされても、表現内容に関わらないこの種の規制は、立法目的が正当で立法目的と規制手段との間に合理的な関連性があれば違憲で…

【憲法】積極目的規制(旧司法試験 憲法 昭和60年度第1問)

【問題】 国会は、国際的競争力の弱いある産業を保護しその健全な発展を図るため、外国からの輸入を規制し、その生産物の価格の安定を図る措置を講ずる法律を制定した。 A会社は、その生産物を原料として商品を製造しているところ、右の法律による規制措置…

【憲法】政教分離(旧司法試験 憲法 平成4年度第1問)

【問題】 A市は、市営汚水処理場建設について地元住民の理解を得るために、建設予定地区にあって、四季の祭りを通じて鎮守様として親しまれ、地元住民多数が氏子となっている神社(宗教法人)境内の社殿に通じる未舗装の参道を、2倍に拡幅して舗装し、工事…

【憲法】議員の発言と免責特権(旧司法試験 憲法 平成6年度第2問)

【問題】 国会議員が院内で人の名誉を侵害する発言をした場合、民事上、刑事上の責任を問われるか。 また、所属議院において、右発言を理由に除名の決議がなされた場合、当該議員はその決議の効力を訴訟で争うことができるか。地方議会の議員の場合と対比し…