k's point of view

経営を本業とし,その現場で毎日活動しています。このブログは,旧司法試験の問題を中心に,新たに実務的視点で考えてみるブログでしたが,最近は,ビジネス関連の雑考や法律・ビジネス関連の書籍紹介の記事が多くなっています。

刑事訴訟法

刑事訴訟法⑪ 伝聞法則

伝聞法則 概念図 事実(F) → 供述者(W) → 供述(N) 知覚 記憶 表現 ←推認 ←推認 ←推認 見間違い / 記憶の混乱・減退 / 言語使用上の不明確・不誠実 = 「伝聞の危険」 伝聞法則は,供述過程に介在する誤謬の危険を勘案して,正確な事実認定に資することを目的と…

刑事訴訟法⑩ 訴因を軸にした訴訟追行の法的規制

訴因を軸にした訴訟追行の法的規制 訴因は,構成要件に該当する具体的な事実の記載であり,できる限り日時・場所・方法を持って特定し明示しなければならない(法256Ⅲ参照)。それは当事者である検察官が審理判決を請求する犯罪事実の主張である。当事者主義訴…

刑事訴訟法⑨ おとり捜査

おとり捜査 ①捜査機関またはその依頼を受けた者が,②その身分や意図を相手方に秘して,犯罪を実行するように働きかけ,③対象者が犯罪の実行に着手したところで現行犯逮捕等により検挙する手法。 <事例1> 警察官は,Xがかねてから覚せい剤の密売を繰り返し…

刑事訴訟法⑧ 逮捕に伴う令状を必要としない強制処分

逮捕に伴う令状を必要としない強制処分 Ⅰ 逮捕の現場における令状を必要としない強制処分 第1は「逮捕の現場」には,逮捕被疑事実に関連する証拠が存在する蓋然性が一般的に高いと考えられることそれ自体を根拠として,裁判官による「正当な理由」の審査を行…

刑事訴訟法⑦ 人の身体を対象とする強制処分

人の身体を対象とする強制処分 Ⅰ 人の身体を対象とする処分の諸類型(身体の捜索) 捜査機関は証拠物等を探索発見するために人の身体を対象として捜索を行うことができる(法102・222Ⅰ・218Ⅰ前段)。人は着衣内等に物を隠匿することができるので,特定の人物の…

刑事訴訟法⑥ 捜索・差押え

捜索・差押え Ⅰ 捜索・差押えと令状主義 憲法35条1項にいう「正当な理由」とは,第1に捜査対象とされている具体的な犯罪事実が存在する蓋然性すなわち犯罪の嫌疑(法218Ⅰ・規155Ⅰ④参照),第2にそのような犯罪に関連する特定の証拠物または没収すべき物(法222…

刑事訴訟法⑤ 逮捕・勾留

身柄拘束処分 Ⅰ 逮捕前置主義 逮捕前置の趣旨は,短時間の拘束の後,勾留請求段階で身柄拘束継続の理由と必要性を速やかに勾留裁判官の慎重な審査に付すことにある。また,検察官が被疑者の身柄拘束継続を求めるかどうかを検討し,勾留請求をしないことによ…

刑事訴訟法④ 供述証拠の収集保全

供述証拠の収集保全 Ⅰ 供述証拠の収集保全に関する法的規律 1. 取調受忍義務について 逮捕・勾留によって人身の自由という最も根源的な基本権を侵害された被疑者に対して,捜査機関の取調べを受忍する義務(取調受忍義務)を課すと,すなわち被疑者の「自己負…

刑事訴訟法③ 行政警察活動と捜査の隣接領域

行政警察活動と捜査の隣接領域 「行政警察」に分類される警察官の活動は,その目的の内容が「犯罪の予防,鎮圧」や「交通の取締」(警察2Ⅰ参照)などである。具体的な犯罪事実の解明を通じて公訴提起の準備を行うことを目的とする「司法警察」活動とは区別さ…

刑事訴訟法② 任意捜査の規制の枠組み

任意捜査の規制の枠組み Ⅰ 強制捜査と任意捜査 刑訴法は「捜査については,その目的を達成するため必要な取調べをすることができる」(197Ⅰ本)と定め,捜査機関に「任意捜査」の権限を付与している。任意捜査とは,捜査機関限りの判断と裁量により実行可能…

刑事訴訟法① 強制処分法定主義/令状主義

強制処分法定主義/令状主義 Ⅰ 強制処分法定主義 強制処分法定主義(法197Ⅰ但)は,国民の重要な権利を侵害する「強制の処分」については,処分の内容・要件・手続があらかじめ法定されていなければならないという,憲法31条の手続法定主義を受けた準則である。…